「とにかく、詳しい話はいつものファミレスで話すから!!すぐ来てよ!!―――ガチャリ」
まさおくんは、一方的に電話を切断した。
(……こりゃ、面倒なことになるぞ……)
まさおくんは、ねねちゃんが好き。でもねねちゃんは、ぼーちゃんが好き。
なるほど、とても面倒な構図になっている。高確率で、嵐が吹くだろう。
「……どうか、しましたか?」
気が付けば、あいちゃんが後ろに立っていた。
「……ああ、ちょっとまさおくんが相談があるって」
「まさおくんが?」
「うん。オラ、ちょっと行かなきゃ……」
「……そう、ですか……」
彼女は、残念そうに表情を暗くした。――かと思えば、すぐに明るい表情を浮かべる。
「……私も、ご一緒します!」
「え―――?」
彼女の目は、ただオラを見つめる。それを見ていたら、何だか笑みが溢れて来た。
「……うん、一緒に行こうか!」
「はい――!」
そしてオラ達は、玄関を飛び出していった。
……こうして、オラ達の日常は積み重ねられていく。
人生では、出会いがあって、別れがある。出会いと別れは表裏一体で、それは寂しいことだ。
でもその中で、きっと手に入れる素晴らしいものがある。それは心の中に残り、生きる力に代わるんだ。
――そしてまた人は前に進み、新たなものと出会うんだろう。
「――少し急ごうか!あいちゃん!」
「はい!しんのすけさん!」
オラは彼女と、街の中を駆けて行く。とても暖かくて、安らげる手を握りながら。
オラ達の物語は、これからも続いて行くのだろう。……いや、きっと今から始まるんだと思う。
――また新しい、物語が………。
.END
出典元:youtube
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