【※涙の物語】「クレヨンしんちゃん22年後の物語」ファンが作った作品が公開され、日本中が涙!!

――その姿はまるで、太陽と木々のようだった。

「………」

「………」

気まずいのだろうか。二人とも、全然動こうとしていない。

しばらく時間が経ったところで、ようやく風間くんが少しだけ顔をオラに向ける。

これはどういうことなんだ―――そう言わんばかりに、チラチラとオラの様子を窺う。

風間くんも、かなり混乱しているようだった。

「……やり直しだよ、風間くん」

彼に、助け舟を出す。

「……え?」

「あの日のやり直し。もう一度、ここから始めるんだ」

「……で、でも……」

「ひまわりにもあるんだよ。本当に言いたかった言葉が。キミにもあるはずだ。本当は聞きたかった言葉が。
この前は、ちょっと決断が早かっただけなんだ。きっとキミらは、同じ未来を見てるはずなんだ」

「……しんのすけ……」

「オラに出来るのは、ここまでだ。風間くん、キミさえ良ければ、もう一度伝えてほしい」

「……」

風間くんは何も言わない。だけど、その表情は、確かに何かを伝えていた。

そして彼の目は、不思議とオラを安心させた。

[add]

「……ひまわり。本当にオラのことを考えてくれるなら、お前が思うようにしろ。お前の願いを、口にするんだ」

「……お兄ちゃん……」

ひまわりは、潤んだ瞳でオラを見る。もしかしたら、まだ悩んでいるのかもしれない。
……だから、もう少し背中を押すことにした。

「……大丈夫。ひまわりがどういう返事をしても、お兄ちゃんはもう怒らないよ。
お兄ちゃんは、ずっとひまわりの味方だ」

「……うん……」

そしてオラは、その場を立ち去る。
オラが歩き出すと、二人はまたお互いを見つめ合っていた。

それからどういう話になったのか分からない。二人が、どういう言葉を送ったのか分からない。
……だけど、それはオラが干渉するべきではないことだろう。それに、きっと二人なら、オラなんか必要じゃない。必要ないんだ。
少し寂しくはあるけど、それでも暖かい。
どこかすっきりした気持ちを胸に、オラは家に帰った。

……それから1週間後、風間くんはオラの家に来た。
そして、彼はひまわりと一緒に、オラに結婚することを告げた。

「……そうですか……風間くんとひまわりちゃんが……」

会社の椅子にもたれかかっていたあいちゃんは、オラの言葉を呟く。
表情は、どこか安堵していた。

「式は、近親者だけでするって。あいちゃんにも招待状が届くはずだよ。かなり急な日取りだけど……風間くん、時間ないし……」

「……そうでしたね。風間くんは……」

ふと、あいちゃんは表情を伏せる。
祝福したいが、素直には出来ない……そう言った顔をしていた。

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