【※涙の物語】「クレヨンしんちゃん22年後の物語」ファンが作った作品が公開され、日本中が涙!!

まず、着替えることから大変だったようだ。

そしてトイレも、風呂も、今まで簡単にしていたことさえ、大きな労力を使うものになった。

足が使えないのは、これほどまでに自由が効かなくなるものかと驚く毎日だった。

かといって手伝おうとすれば、エッチだのスケベだの言われて追い返されることもしばしば。

しかしまあ、ひまわりは持ち前のガッツを武器に、少しずつその生活に慣れていった。

最近では、二人でよく買い物に行っている。

オラが車椅子を押して、そしてひまわりは笑うんだ。

皮肉な話かもしれない。

ひまわりが事故に遭う以前より、家族の時間が増え、会話も増えた。

もちろん、これで良かったなんてのは口が裂けても言わないし、思いもしない。これから先、ひまわりは、一生背負うことになるのだから。

――でも、重荷を無くすことは難しいけど、減らすことは出来る。

オラが、減らしてやるんだ。

そして、ひまわりが、その名前のように、いつまでも輝ける太陽であり続けるように、支えていく。

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それが、家族ってものだろう。
……そうだよね?父ちゃん、母ちゃん……

――そんな、矢先のことだった。

「――それにしても珍しいね。風間くんがオラと飲みたいなんて……」

「まあ……たまには、な……」

街角の居酒屋で、オラと風間くんは酒を交わしていた。
その居酒屋では、仕事帰りのサラリーマンが、その日の疲れを癒すかのように顔を赤くして騒いでいた。
うるさくはあったけど、どこか幸せそうなその喧騒は、不思議と耳に入っても不快感はない。
そんな店の片隅に、オラと風間くんは座っていた。

今日飲みに誘ったのは他でもない。風間くんだった。
しかし彼は、どこか様子がおかしい。
何か、言いたいことでもあるようだ。

しばらくして、風間くんは意を決して言ってきた。

「……しんのすけ。お前に、話さなきゃならないことがあるんだ」

「……どうしたの?改まって……」

風間くんは、もう一度言葉を飲む。
そして、切り出した。

「……実は、あの日ひまちゃんが帰った時、仕事帰りじゃなかったんだ。
――僕と、会った後なんだよ……」

「……どういうこと?」

「それは……つまり……」

風間くんは、もう一度、息を吸い込む。
……それから先は、聞きたくなかった。

「――僕とひまちゃん、付き合ってるんだ」

「……」

店内が、静まり返った気がした。
他の言葉は、音は、何も耳に入らなかった。

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