【※涙の物語】「クレヨンしんちゃん22年後の物語」ファンが作った作品が公開され、日本中が涙!!

「――おはようございます……」

仕事場に出勤したオラだったが、さすがに前日海で遊びまくったせいか、体中が痛い。

オラももう歳なのかもしれない。少しは体を労わるようにしなければ。

それはそうと、さっきから人に見られまくっている。

エントランスホールにいる従業員は、皆がオラを見るなり隣に立つ人とひそひそ話を始める。

その光景は、正直いいものではない。

何か顔にでもついているのだろうか……

はたまた、間違えて寝間着でも着て来たのだろうか……

少しだけ背中を丸めたオラは、足早にあいちゃんの事務室に向かった。
途中通る廊下の掲示板には、至る所で人だかりが出来ていた。何があったのかは気になったが、とにかく人が来ないあの部屋を目指した。

「――おはよう、あいちゃん」

入り口を開けて、あいちゃんに挨拶をする。
オラに気付いたあいちゃんは、座っていた席から立ち上がり、オラの元へ駆け寄って来た。

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「――おはようございます、“あなた”」

「うん、おはよう……って、あなた?」

「はい。あなた、です」

ニッコリと微笑みを向けるあいちゃん。しかして、なぜ急にあなたと……

「ええと……なんでオラを“あなた”って言うの?」

「はい。……これです」

「これ?」

あいちゃんは、一枚の紙を手渡してきた。

「……………あいちゃん、これって……」

そこに書いてある文字を、オラは4度見ほどしてみた。しかし、何度見ても同じことが書いてあった。

『祝!酢乙女あい、婚約!』

「……あいちゃん、結婚するんだ……」

「はい」

「へえ~。……誰と?」

「それはもちろん、しんのすけさんとです」

「……ああ、なるほど。やっぱりそうか……」

それは予想していた通りの返答であった。何しろ、しっかりと書いてある。

――『お相手は、酢乙女グループ特別顧問、野原しんのすけ』と……

「ああ、なるほど。オラがあいちゃんと婚約ね。
オラが…あいちゃんと…………って、ええええええええええええええええええ!!??」

朝一の事務室では、オラの叫び声が響いていた。

「ちょっとあいちゃん!これ、どういうこと!?」

オラはあいちゃんに詰め寄る。

「どうもこうも、そういうことです」

あいちゃんは、相変わらずにっこりと笑っていた。

「いやいや…いやいやいやいや!なんで急にこんなことになってるの!?」

「……実はですね、私の父が、しんのすけさんのことを大変気に入っていまして……」

「……それで?」

「好きかと聞かれて、大好きですと答えまして……」

「……それで?」

「結婚することになりました」

「いやおかしいから!!色々飛び過ぎだって!!」

「あら。ちゃんとご家族にも確認を取りましたよ?」

「か、確認?」

「はい。ひまわりさんに。しんのすけさんと結婚したいと言ったところ、『あんな兄で良ければ、じゃんじゃん結婚してやってください』って言われましたし」

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