【※涙の物語】「クレヨンしんちゃん22年後の物語」ファンが作った作品が公開され、日本中が涙!!

「……しんのすけさん、ごめんなさい。今回の件は、私のせいです」

「いや、別にあいちゃんのせいじゃ……」

「いいえ。こうなったのも、私が余計なことを広げたからです。
私自身の警護は、常に万全です。しかし、こんなに早く、しんのすけさん達に危害が及ぶとは……」

あいちゃんの表情は、沈みきっていた。
今彼女は、自分自身を激しく責めているのだろう。

「……あいちゃん、それは違うよ。そもそも、四郎さんは、金目当てにオラ達を連れ出したわけじゃないし」

「……そうなんですか?」

「うん。四郎さんは、ただ、助けてほしかったんだと思う。

今の状態が辛くて苦しくて、どうすればいいのか分からなくて……それでも、毎日を過ごさなきゃいけない。彼は、疲れたんだよ。

だからこそ、オラの家に来たんだと思う。金目的ってのは、たぶん後付だろうね。

きっと、誰かに手を差し出して欲しかったんだと思う。自分の境遇を聞いて欲しかったんだと思う。

……最後に見た四郎さんの顔が、そう言ってた気がしたんだ。

もちろん、それは四郎さん本人じゃないと分からないだろうけど」

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「……四郎さんは、しんのすけさんに救われたんですね」

「違うよあいちゃん。オラは、何もしてないんだ。ただ、少しだけ背中を押しただけ。
最後に足を踏み出したのは、四郎さん自身なんだよ」

「……そう、ですね……そういうことにしておきます」

あいちゃんは、ようやく笑みを浮かべた。

最後にあいちゃんは、深々と頭を下げる。

「――とにかく、本当にごめんなさい。これからは、気をつけるようにします」

「だから、それはいいって」

「……でも私、ますます気持ちが強くなりました。やっぱり私は、あなたと共にいようと思います」

「それは……どうなんだろ……」

「フフフ……言ったはずですよ?私、しつこいんです。――では、おやすみなさい……」

そしてあいちゃんは、微笑みを残して帰って行った。
何だかますます明日からの生活が不安になったが、今日は休むことにした。

家に入り、眠るひまわりの部屋を覗く。

「……お兄ちゃん……」

ひまわりは、目を閉じたままオラを呼んでいた。

……どうやら、寝言のようだ。

「……おやすみ、ひまわり……」

起こさないように呟いたオラは、ドアを閉める。

そして自分の寝室に行き、泥のように眠った。

……その日の夢は、久々に父ちゃんと母ちゃんが出て来た。

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