【※涙の物語】「クレヨンしんちゃん22年後の物語」ファンが作った作品が公開され、日本中が涙!!

「………しんのすけ、さん?」

「あいちゃん、ちょっと来て」

少し強引に、彼女の体を引っ張る。
彼女は、わけのわからないといった表情で、ただオラに手を引かれていた。

「しんのすけさん!いったいどこへ……!!」

「………」

オラはただ、その場所を目指す。
そこはさっき見かけた場所。少しだけ高い岩場。

オラは彼女の手を掴み、岩場を駆けあがる。

「し、しんのすけさん……そっちは、海ですよ?」

「大丈夫。オラも一緒だから」

「で、ですけど……」

そして岩場の頂上に辿り着いたオラは、下を見る。
下は透き通るような海だった。他に岩はなさそうだ。

これなら……

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「……しんのすけさん?」

不安そうにオラの顔を窺うあいちゃん。オラは、彼女に微笑みを向けた。

「……飛ぼうか、あいちゃん」

「……え?―――きゃっ!」

オラは彼女の手を引っ張り、海に飛び込んだ。

海面に落ちるなり、辺りには水しぶきが舞う。
塩水が口に広がる。目が少し痛い。

そしてオラとあいちゃんは、海水でずぶ濡れになった。

あいちゃんのブラとパンテーが透ける!

「うぅぅ……ヒドいです、しんのすけさん……」

あいちゃんは服の裾を絞りながら、恨めしそうにオラを見た。

「ごめんごめん。……でも、少しすっきりしたでしょ?」

「……確かに、それどころじゃなくなりましたけど……」

「でしょ?ハハハ!」

「……もう、笑いごとじゃないですよ」

そう言いながらも、あいちゃんは笑っていた。
その笑顔を見たオラは、少しだけ安心した。

「……それで、いいんだよ」

「え?」

「あいちゃんの苦悩とかは、正直オラにはどうすればいいのか分かんないよ。だけど、こうやって嫌なことを忘れて、笑ってもらうことは出来る。
辛い時とか、苦しい時は、そうやって笑うのが一番なんだよ。落ち込んでいるときに色々考えても、結局泥沼にはまっちゃうものだし。
笑って、心をスッキリさせて、そしてもう一度考えるんだ。どうしていくのか……どうしたいのかを。
――そうやって、オラは毎日生きてる」

「………」

「あいちゃん……今日は一日、思いっきり笑おうよ。そしたら、何かが変わるかもしれない」

「……そう、ですね……」

するとあいちゃんは、水にぬれた靴を脱ぎ捨てた。

「……しんのすけさん!もう一度、飛び込んでみたいです!」

「……うん!行こうよ!一緒にさ!」

それからオラとあいちゃんは、海で遊び回った。

彼女にとって、こうやって服のまま海で遊ぶのは、初めてなのかしれない。
彼女は笑っていた。凄く楽しそうに。

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