【※涙の物語】「クレヨンしんちゃん22年後の物語」ファンが作った作品が公開され、日本中が涙!!

「誰だろう……」

掃除を一時中断し、玄関に向かう。そして鍵を開け、少し古くなった玄関を開けた。

「――はい」

「……こんにちは、しんのすけさん」

そこには、笑顔で会釈するあいちゃんがいた。

「あれ?どうしたのあいちゃん……」

「あら、私が来てはいけないんですか?」

あいちゃんは、少し意地悪な笑みを浮かべる。

「い、いや……そんなわけじゃないけど……」

戸惑っていると、彼女はクスリと笑う。

「……お邪魔しても、いいですか?」

「……あ、ああ。どうぞ」

そしてオラは、あいちゃんを家に招き入れた。

「――ずいぶん、片付きましたね」

あいちゃんは、そう呟きながら部屋を見て回る。

「まあね。オラの荷物、ほとんどないからさ。一人にはもったいないくらいの家だよ」

笑いながら、言ってみた。
するとあいちゃんは、顔を赤くして俯いてしまった。

「……ん?どうしたの?」

「……い、いえ……それにしても、静かですね……」

「え?あ、ああ……そうだね……」

「……」

「……」

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……なんだか、不思議な空気が部屋中に満ちる。

「……私で、よければ……」

しばらく俯いていた彼女は、小さな声で話してきた。

「え?」

「……私でよければ、ご一緒に……」

「……」

……また、部屋は静まり返った。オラも、下手に喋れなくなっていた。

二人揃って、居間に立ったまましばらく黙り込む。でも、何だかこのままじゃいけない気がした。
震える口に力を込めて、ゆっくりと口を開いてみる。

「……あ、あのさ……」

「……は、はい……」

「……今度よかったら、二人で――――」

―――プルルルル

「―――ッ!」

「―――ッ!」

突然、静かな部屋に電話の音が鳴り響く。体をビクリとさせたオラ達は、すぐに音の方を振り返る。

「な、なんだ……電話か……」

一度彼女に目をやる。彼女は、頬を桃色に染めて、困ったような笑みを浮かべていた。
何だか照れ臭かったオラは、少し重い足取りで電話に向かった。

「……はい、野原ですが……」

「――聞いてよしんちゃん!!」

受話器を耳に当てるなり、叫び声が耳を貫いた。
咄嗟に受話器を耳から離し、改めて話をする。

「……ま、まさおくん?」

「そうだよしんちゃん!――それより、聞いてよ!!」

まさおくんは、かなり慌てていたようだ。

「どうしたのさ、いったい……」

「あのね!僕、ねねちゃんに告白したんだ!!」

「……マジで?」

「マジだよ!大マジだよ!!そしたら、ねねちゃん、言ってきたんだ!“好きな人がいる”って!!!」

(……あちゃー)

思わず、手を頭に当て上を見上げた。

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