【※涙の物語】「クレヨンしんちゃん22年後の物語」ファンが作った作品が公開され、日本中が涙!!

「――ただいまー!」

大きな声を出して、ひまわりが帰って来た。そしてスーツのまま、台所へ駈け込んで来た。

「お兄ちゃんお腹空いた!今日のごはん何!?」

「クリームシチュー。好きだろ?」

「うん!大好き!」

ひまわりは目を輝かせながら、鍋の中を覗きこむ。そして大きく匂いを嗅ぎ、満足そうに息を吐いた。

「こらこら。先に手を洗ってきな。ごはんは、その後だ」

「ええ!?いいじゃんべつに……」

「だ~め!」

「ぶー……」

渋々、手を洗いに行った。これも何度目の光景だろうか。

行動が全く進歩しない妹に、少しばかり不安を感じる。

これじゃ、嫁の貰い手もないだろうな。

「いっただっきま~す!」

「いただきます」

今のテーブルを二人で囲み、晩御飯を食べ始める。

普段着に着替えたひまわりは、一心不乱にシチューを食べていた。

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「――うん!さすがお兄ちゃん!すっごくおいしい!」

「ありがと。……それより、会社はどうだ?」

「会社?……う~ん、あんまり面白くないかも……」

「そりゃそうだ。会社ってのは、面白くもないところだ。面白くないことをするから、お金を貰ってる。基本だぞ?」

「そうなんだけどね……なんていうか、つまんないの。会社の業績はまあまあなんだけど、先輩に面倒なオバハンがいてね。やたらと、目の敵にしてくるんだぁ……」

「ああ、いるいる、そういうの。……まさかとは思うけど、気にしてんのか?」

「私が気にすると思う?」

「いや全然」

ひまわりは神経が図太いからなぁ……これも、母ちゃんによく似ている。

「ただ、面倒なんだよね、そういうの。嫉妬するのは分かるんだけど、それなら私以上に実績積めばいいだけだし。それをしないで、ただ因縁だけ付けてくるってのが気に入らないんだ」

「……そうか……お前も、大変だな」

「うん。まあね」

あっけらかんと、ひまわりは答える。まったく大変そうには見えないが……

食事を終わったひまわりは、風呂に入る。

「着替え、ここに置いとくぞ」

「は~い」

風呂の中から、籠った声を出すひまわり。ひまわりは、とにかく風呂が長い。

何でも、少しでもカロリーを消費するためとか。無駄な抵抗だと思うんだが……

「……お兄ちゃん?今何か、失礼なこと思わなかった?」

お前はエスパーか……

「……あんまり長風呂するなよ?この前みたいに、のぼせて倒れちまうぞ?」

「ああ!話を誤魔化した!!やっぱり思ってたんだ!!」

……こういう感が鋭いところも、母ちゃんに似てる……。

脱衣所を出ようとした時に、ふと、ひまわりが言ってきた。

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