「……うん。そうだね……」
オラも微笑を返し、少しの間、校庭で遊ぶ子供たちと、子供と戯れるチーター、子供に翻弄されるまさおくんを見ていた。
「……なんだか、不思議じゃない?」
子供たちを見ていたねねちゃんは、ふと呟いた。
「不思議?」
「うん。――だって、今から20年くらい前には、あそこを走ってたのは、私たちだったのよ?」
「……ああ、そういうことね。そう考えたら、確かに不思議な感じがする」
「でしょ?……子供のころは、何も考えずにああやって走り回って……世の中なんてほとんど知らないのに、まるで全部分かってたかのようにリアルおままごとなんてして……。
――ほんと、子供だったわ……」
「……ああ、実はね、オラ達、ねねちゃんのリアルおままごとが少し苦手だったんだよ?」
「そうなの?」
「うん。だって、やっていて重かったし、もっと楽しいことをしたかったしね」
「言ってくれればよかったのに……」
「言えるわけないよ。ねねちゃん、怒ってただろうし……」
「……そんなに、私って怖かった?」
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「うん。すっごく」
「はっきり言うなぁ……」
ねねちゃんは、ばつが悪そうに苦笑いをした。
「ハハハ…!ごめんごめん。――ただ、オラ達はずっと一緒だったね。リアルおままごとにしても、かすかべ防衛隊にしても……」
「かすかべ防衛隊かぁ……。懐かしいね」
「ケンカもしてたけど、あの毎日があったからこそ、オラ達はこうして今でも繋がってる。それって、すごく幸せなことだって思うんだ。
時間は色んなものを変えてしまう。建物だって古くなるし、オラ達にもそれぞれに立場や環境があって、昔みたいに集まることも難しいし。
――でも、それでも変わらないものもある。それが、今のオラ達なんじゃないかな……」
「……しんちゃん、ホントに変わったね。なんていうか、すごく大人になった感じ。実際大人だけど。
とても、昔お尻を出して走り回ってたようには見えないわね」
ねねちゃんは、少し意地悪そうにオラを見た。
「……ねねちゃん。それは言わないで……」
……ふと、思いついた。
今なら、ねねちゃんに色々聞いても大丈夫だろう。
「……そういえば、ねねちゃん」
「ん?なぁに?」
「ええと……」
なんて聞くか、少し悩んだ。ダイレクトに聞いてもいいが、違ったときに気まずくなりそうだし。
少しだけ自分会議をした結果、遠まわしに聞いてみることにした。
「今さ、誰かと付き合ってるの?」
「……え?」
「いやほら、ねねちゃんさ、ここにいたら出会いとかも多そうだし。もしいるなら、全力で応援したいし」
「……うん……」
ねねちゃんは、少しだけ黙り込んだ。
やはり言いづらいようだ。でも、まさおくんはあんな調子だし、ここはオラが頑張ってやらないと……
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