【※涙の物語】「クレヨンしんちゃん22年後の物語」ファンが作った作品が公開され、日本中が涙!!

「……どうしてオラ達を?」

すると四郎さんは、失笑するかのように、短く笑う。

「……そんなもの、決まってるじゃないか。
――金だよ……」

四郎さんは、ライトの光をオラに当てる。

眩しくて眉をひそめていると、四郎さんの声が響いた。

「噂で聞いたよ。――しんちゃん、キミ、酢乙女グループのご令嬢と婚約したらしいじゃない。

……凄いよね。日本トップレベルの大企業のご令嬢だよ?これから先、遊んで暮らせるだけの金が入るんだ。

……許せないよね。僕はこんなに苦しいのに、キミは想像も出来ないほど、裕福な人生を歩むんだ」

「……」

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「……だからさ、その幸せ、少し分けてほしいんだ」

「……あいちゃんに、身代金を要求つもりなんですか?」

「そうだよ。いくらにしようかな……。キミのためなら、いくらでも出しそうだけどね。ヘヘヘ……」

ライトの逆光で、四郎さんの顔どころか、姿すらもは見えない。
まるで闇の底から、声だけが響いているようだった。

彼は今、笑ってるのか……それとも、泣いているのか……

しかし彼の口調には、どこか儚さも感じられる。

“引き返せない”……

彼はそう言った。

四郎さんは、本当は止めてほしいのだろうか。

少なくとも、オラの知る四郎さんは、ケチで気弱でスケベだけど、本当はとても優しい人だった。

絶対に、こんなことをするような人ではなかった。

……それなら、どうして……

「……四郎さん……何があったんですか?何があなたを、こんなことまでさせてるんですか?」

「……」

オラの問いを受け、少し、ライトの光が下がった。そして彼の顔が浮かび上がる。

……彼は、涙を流していた。

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