【※涙の物語】「クレヨンしんちゃん22年後の物語」ファンが作った作品が公開され、日本中が涙!!

「――だって!私が風間くんと一緒に行ったら、お兄ちゃんが一人になるじゃない!
いつも私の横にいてくれて、励ましてくれていたお兄ちゃんがだよ!?
――そんなの……出来るわけないじゃない!」

「それがどうしたんだよ!勝手に同情してんじゃねえよ!!」

「同情なんかじゃない!たった一人の家族だよ!?
お父さんとお母さんがこの世を去ったときも!私が歩けなくなった時も!そして今も!
なんでお兄ちゃんばっかり、全部背負うの!?なんでお兄ちゃんだけが、我慢するの!?
――お兄ちゃんばっかり辛い思いをして……そんなの、絶対嫌ッッ!!」

「……」

「……」

……沈黙が、流れる。
外からの雨の音は、止むことはない。
ザーザー……ザーザー……涙を流すように、降り続いていた。

「……ひまわり……」

「……」

ひまわりは、ただ泣いていた。

オラの言葉が届いていないのか、それとも答えられないのか……それは分からない。

それでもオラは、彼女に話しかけた。

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「……ひまわり、お前は勘違いをしているよ……。
オラはな、ただ、お前が笑っていられるようにしていただけなんだよ。
ひまわりの笑顔は、本物の太陽みたいなんだよ。
暖かくて、安心できて、いつも、オラを照らしてくれてる。
オラは、それに救われてたんだよ」

「……」

「……それなのに、ひまわりはオラのために辛い思いをしている。
それじゃ、ダメなんだよ。ひまわりが幸せじゃないと、オラも幸せになれないんだよ」

「……お兄ちゃん……」

「本当にオラのことを思ってくれるなら、幸せになれ。
たとえオラと離れることになっても、自分の幸せを掴むんだ。
それが、オラの願いだ。……いや、オラだけじゃない。それはきっと、父ちゃん、母ちゃんの願いでもある。
――ひまわりの家族全員の……お前を大切に思う人みんなの、願いなんだよ」

「……ひぐっ……ひぐっ……」

「――風間くんのところにいけ。
お前は、本当はそうしたいんだろ?……だったら、後ろを振り返るな。お前は、前だけを見るんだ。お前の幸せは、今目の前にある。それを、掴むんだ。
……オラは、後ろからそれを見てるからさ。どれだけ離れてても、ひまわりの幸せを見てるからさ。
そしたらきっと、オラも幸せになれる。
……だから、ひまわり。――この家を、出るんだ……」

「……あああ……あああ……うぁあああ……!」

ひまわりは、声を上げて泣いた。
それは、自分の中にある罪悪感を消し去るためだろうか。
彼女の中で、今オラは、足枷になっている。
それを外したことにより、彼女の中の何かが弾けたのかもしれない。
だけど、その涙の先には、必ず彼女の笑顔があると信じている。

だからオラは、ただ彼女を見ていた。泣き続ける彼女を見ていた。
――ふと、頬に何かがついているのに気付く。
触ってみれば、それはべたべたしていた。

(……なんだよ……なんでオラも泣いてんだよ……)

……それでも、手で触れたものは、とても暖かかった。

「……まったく……ここのところ、よく僕を呼び出すよな……」

コーヒーを飲みながら、風間くんはぼやいていた。
ここはとある喫茶店。そこに、オラは風間くんを呼んでいた。
そんなことを言いながらも、結局は来てくれるのは、本当に風間くんらしいと思う。

「ごめんごめん。ちょっと、話があったからね」

すると風間くんは、コーヒーカップをゆっくりと置き、改めて聞いてきた。

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