彼女は、保育士をしている。そして、オラたちの通っていた、フタバ幼稚園で勤務をしている。
園長先生が、相変わらず強面過ぎると、愚痴を言っていた。ただ、仕事自体は楽しそうだった。
「僕も、いつか風間くんみたいに、夢が叶うといいな……」
少し哀愁を漂わせながら、まさおくんは言う。
彼は今、とある漫画家のアシスタントをしている。
かなり厳しい人らしいが、その分画力は上がってるとか。
今はアシスタントをしながら、漫画家デビューを目指し、日々ネームを作っているとか。
「風間くん、凄い」
ぼーちゃんは、チャームポイントの鼻水を垂らしながら、朗らかに笑う。
彼は、何かの研究者のようだ。その詳細は、企業秘密らしい。
ただ、先日研究チームの主任に抜擢されたとか。相変わらず、なんだかんだで、一番しっかりしてる。
「……それにしても、しんのすけもずいぶん真面目になったな」
「そ、そうかな……」
「そうそう。小学校までのしんちゃんからじゃ、到底信じられないくらいだわ」
「そんなに変だったかな……」
「うん。変だった。でも、面白かったけどね」
オラたちは笑い合い、昔話に花を咲かせた。
こうして今でも変わらず昔を語り合える友達がいることは、本当に素晴らしいことだと思った。
「――そろそろ、オラ帰らないと……」
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時計を見たオラは、荷物をまとめ始める。
それを見たまさおくんは、残念そうに言ってきた。
「ええ?もう帰っちゃうの?」
「うん。ひまわりのごはん、作らないといけないし」
「あ……そっか、しんちゃんっちって……」
ねねちゃんの呟きで、その場が暗い空気に包まれ始めた。
「別に気にしないでよ。ひまわりと、賑やかに暮らしてるしさ」
「そっか……うん、そうだよな」
「幸せで、何より」
「途中だけどごめんね。風間くん、仕事頑張ってね。じゃ―――」
そしてテーブル席を離れる。
「何かあったら、すぐ言えよ!僕らに出来ることがあるなら、何とかするからさ!」
最後に風間くんが声をかけてきた。
そんな彼らに手を振り、オラは家路についた。
……しかし、順調に見えたオラにも、不景気のあおりが来ることになった。
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