【※本当にあった奇妙なお話】夏休みの避暑地の別荘でのバイト。「別荘地で過ごせて金ももらえるのか、おいしいじゃん」と行ってみると・・・

また、俺達の寝床はどこでも好きな部屋を使って良いらしいが、

後々結局運び出す事を考えたら入り口近くのほうが良いんじゃないか?

とも言っていた。

今から良く考えると、それは完全隔離状態になるのと同じ事で、

相当怪しいのだが当時の俺達は全くそこまで頭が回らなかった。

別荘に到着したとき、俺とA、Bはちょっと引いてしまった。

老朽化していると聞いていたが、予想よりもかなり古いし荒れている。

2軒とも大きな建物で普通の家と変わらない大きさのログハウス風なのだが、

木の壁は黒ずんでいて日のあたっていない場所や下のほうは苔が生えている。

しかも庭は何年も放置していたようで荒れていて、

植木は枯れるか枝が伸び放題、雑草が生い茂りあちこちに蔦が絡まっている。

俺とA、Bが「うわー…」という顔になって立ち尽くしていると、

おじさんが「ま、まあ外見はあれだけど中は結構きれいだよ」

と手前側の建物から中を案内始めた。

なるほど、たしかに外見と違い中の方は結構小奇麗だった。

どうも先に少し片づけが進んでいたようで、

玄関を入ると横に棚や段ボール箱が無造作に置かれているが、

それ以外は特に気にするような物もなく、

「別荘っていっても普通の家とたいして変わらないのな」

と思いながら室内の案内や作業の段取りの説明を聞いた。

次に隣のもう一つの方の説明になったのだが、

玄関を入るとちょっとカビ臭い、あとなんか妙に陰気な気もする。

おじさんは気にせずあがり説明をし始めたのだが、

最後にまだ行っていない1階の廊下の奥のほうをみながらこう説明した。

「あの奥はやらなくて良いよ、以前雨漏りしてね、

それ以来床がモロくなっていて危ないんだ、

奥の部屋には大した荷物も無いし、そのまま取り壊すから」ということらしい。

なるほど、カビ臭いのはそのせいかとちょっと納得した。

一通り説明が終ると、

おじさんは俺達に名刺を渡し「じゃ、よろしくね」というと帰って行った。

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