翌朝、名刺の番号に電話してキレ気味に事情を話すと、
最初に駅に迎えに来たおじさんが血相を変えて大急ぎで公園まで迎えに来た。
おじさんは車の運転中、
「ほんとごめん、ちゃんと事情くらいははなしておくべきだったね…、
とりあえず事務所で全部話すから」と、
平謝りに謝り続けたので、俺達は何か気まずくなってしまい怒るに怒れなくなってしまった。
事務所につくと、どうも先に誰かが俺達の荷物を取りに行っていたらしく、
あと20分ほどで荷物を持って戻ってくるらしいとのことだった。
そしておじさんが事情を話し始めた。
予想通りというかなんというか、あの別荘2軒は「例の日本人形」が
出てくるようになったので持ち主が手放してしまった物件らしい。
そして、取り壊す事になって荷物を運び出し始めたところ、次々と怪現象が起こり、
しかも、噂が広まってしまったため、近場の人は誰もあそこで
作業をしてくれなくなってしまったのだという。
それが1年前の事。
それで困ってしまい、近所のお寺に相談し結構お金をかけて御払いをし、
もう大丈夫だろうということで、
地元から離れたうちの大学に求人を出したというのが事の顛末だった。
そして、俺達が「まんまと引っかかった」というわけだ。
おじさんお話によると、元は昼夜問わず怪現象や人形が目撃されたらしいが、
お払い以後昼間行っても何も起きなかったのでもう大丈夫だと勝手に思い込んでいたらしい。
その結果が今回の事件なわけだが…
おじさんは「ほんとごめんね、給料は4日分全部払うし、交通費も今払うか」と
やたら腰が低いので、俺達はもう何か完全に肩透かしにあってしまい、
起こる気も起きず、4日分のバイト代と帰りの分の交通費を貰うと帰る事にした。
最後に、俺はおじさんに一つ質問をした。