彼女は一生懸命に呼吸を整えながら、
絞り出すようにして返事をしてくれた
「ありがとう。でもその気持ちには応えられません」
彼女は目尻を指先で拭いながら言葉を続ける
「実はまだ隠していることがあるの。ごめんなさい」
ドキリとした。
あれ以上のことがあるとは思っていなかった
当然それは良い話ではないだろう。
息を止めて彼女の言葉を待った
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「前の彼と別れた理由を話してなかったね。
実は彼と付き合ってるときに知らない男に無理やりされたの」
再び彼女は泣き出した。
慰めるべきだったのだろうが、
何を言っていいかわからなかった
「それからしばらくして妊娠したことが分かってね、
彼に伝えたらそのときの子供なんじゃないかって言われた」
何度も嗚咽を漏らしながら言葉を紡ぐ彼女を
見ているうちに俺も泣き出していた
「たしかに時期は合ってたけど、私には彼の子だと思ってた。
だけど彼は信じてくれなくて、それからすぐにフラれた」
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