「実はね。最初のカードを引いたときどうしようかと私も焦ったの。
「この世を去ること」を意味するカードが出たのよ。
あなたの弟さんも寿命がなかったなって。
でも次に引いたこの天使のカードがそれを打ち消してるの。
だから大丈夫。安心して、病気は直るから。
白南天の木をベランダの端に置きなさい。そして毎朝それに向って手を合わしなさい。
そうすれば大丈夫だから。」
「白南天ですね?わかりました。
・・・あと先生、弟の病気の原因はその竹やぶのヘビなんでしょうか。
それともその女の子の霊のせいでしょうか。」
姉の質問に
「両方ね。相乗効果ってやつ。その女の子、昔その竹やぶでよく遊んでいたもの。
女の子のお払いは今からするから。」
そう女性オーナーは言った後、お祓いを俺に向ってしてくれた。
聞いたことのない呪文かお経のようなお祓いだった。
それが終わり、女性オーナーにお礼を渡し俺達は店を後にした。
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帰りのタクシーの中、俺は姉に聞いた。
「さっき先生が子供の話したときネーちゃんハッとしたやろ?」
「うん あんたに塩振りかけた日があったやろ。
あんたには言わんやったけど、あん時ね、
あんたの顔の横に女の子の顔が見えたんよ。目を閉じた女の子の顔が・・・」
姉が続きを言いかけたとき母親がさえぎった。
「もう止めなさい。先生にお払いしてもらったんやからもうそんな話はせんでもええやろ!どうでもいいことやわ。」
それから新幹線の駅までタクシーの中はみんな無言になった。
さっきの先生が言った女の子、ネーちゃんが見えたという女の子、
それは俺があの公園で見た女の子のことなのか?いや、あれは確かに本当の子供だった。
人間以外の何者でもなかった。じゃあ別の子供が俺に憑りついていたのか?
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