家の中に入り姉に聞いた。
「ネーちゃん 俺何を連れて帰っとった?今の塩でそれは消えたんか?」
「うーん…多分大丈夫と思うわ。もう何も感じんし。」
「で さっきは何が見えたんや?」
「見えたわけやないけど、あんたの周りの空気物凄くよどんどったわ。
私も気分悪うなるし・・・あんたの顔も妙に青白かったで。」
「何かよーわからんけど、アホらし。」
俺は薄気味悪いのを精一杯隠し、姉を小馬鹿にするように言ったものの
あの公園の女の子のことを思い出していた。
変わったことと言えばそれくらいのことしか思い浮かばなかった。
まさかな…憑りつくも何も別に変わったことでもなかったよな…
魚の漢字がどうこうとか変なことは言ってたけど…。
姉に話すと面倒臭くなりそうな気がして女の子のことは言わず俺の中で封印した。
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それから数ヶ月たち、姉は短大を卒業、就職して家を出た。
俺は受験を控え日々の勉強は苦痛だったが特段かわったこともなく普通に過ごしていた。
そんな俺の体調に異変が起きたのは確か梅雨の頃からだった。
夜ベッドに入り横になると咳が止まらない。
最初の頃は10分程度で治まっていたが、1週間経った頃になると
寝る前1時間くらい咳が続き、呼吸困難になるくらい苦しんだ。
母親に話し、近所の病院に行ったが、特に異常は認められず咳止めの薬を渡された。
しかし薬を飲んでも一向に咳は治まらず、夜寝るときだけではなく昼間も咳が出始めていた。
そして横になったときの咳は激しさを増し、
明け方まで喘息のような咳に悩まされ1日1時間くらいしか眠れなくなっていった。
病院も大きな総合病院に変えたがそこでも原因はわからず出された薬は全く効かなかった。
1ヶ月経った頃には俺の声はガラガラ声になってしまった。
親戚の紹介で隣県のガンセンターの有名な医師にも診てもらったが何の効果もなかった。
もう受験勉強どころじゃない。
食欲もなくなり体重も激減した。
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