そこで父親は痛恨のミスをしていた。
退職の月にすぐ振り込まれるはずの失業手当の振込先を
家計で使っていた(奥さんが握っていた)父親名義の口座にしてしまった。
もちろん振り込まれたお金は下ろせるはずもなく、奥さんが速攻下ろしてしまった。
もちろん家賃も払えずにアパートは追い出されたと。
そこまで聞いて、この父親にも色々問題あるなあと思った。
娘を一人守らないといけないのに詰めが甘すぎる。
でもそんなこと言ってられない。
父親はともかく女の子には、三食ご飯を食べさせて
着る物もなんとかしなければいけない。
事実、もう何日も風呂入ってなさそうだ。
車に乗せたときに思った。ふたりとも、臭い。
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とりあえず空腹を満たしたので、我が家に連れて帰った。
父親は相変わらず「いやそんなご厚意は!」とか言ってたけど問答無用。
「とにかく女の子をお風呂に入れてあげましょうよ」と。
我が家はごくフツーの1DKアパート。
8畳の洋間と狭いDK、それに風呂とトイレ。
ついてすぐに女の子に「しばらくここがあなたのおうちね」
女の子はあんまりよくわかってないようだったけど、
「ここ、私のおうちー?」とかいいながら、ローテーブルのところにちょこんと座って
部屋中を見回していた。
偶然冷蔵庫にカルピスがあったのでそれを飲ませながら、とりあえず父親と話をした。
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