ある日、マーティンさんは突如意識を取り戻します。
しかし、意識を取り戻したことを伝えたくても声を発することも視線を変えることも出来ませんでした。
マーティンさんは自分の意思を伝えることが一切できない状況、いわゆる「閉じ込め症候群」と呼ばれる状態になってしまいました。
徐々に意識が回復していき、19歳になる頃には自分の状況を完全に把握できるようになっていたといいます。
そして、自分の存在が家族の負担になっていることに対してとても苦しんでいたといいます。
マーティンさんにとっても家族にとってもお互いが辛い日々を過ごしていると感じていたのです。
そして、追い詰められた母・ジョアンさんが、ある言葉を口にしてしまいます。
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心身ともに追い詰められていたジョアンさんは・・・
「この世を去ってくれたらいいのに・・・」
と呟いてしまったのです。
この言葉は本心ではないのですが、容態の良くならないマーティンさんの看病に精神的に追い詰められたしまったことで出てしまった言葉だったのです。
マーティンさんは目の前で母がそんな言葉を口にするのをただただ聞いていました。
彼は当時のことをこのように話しています。
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彼は当時のことをこのように話しています
言われた通りにしたかった。
人生を終えたくて仕方なかった。
こんな言葉を聞くのに耐えられなかった。
母親の言葉を聞いて本当に悲しかったけど、でも彼女がなぜそんな事を言ったのか僕にはわかったから恨んだりなんかしていなかったし、
それどころか自分の気持ちを伝えられない方が悲しかったよ。
後にマーティンさんが本当は意識が戻っていた事を知って
涙を流しながらジョアンさんがインタビューに答えています。
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