そして、未だ高笑いをしている友人を半ば引きずる様に外へ出ようとした瞬間、
足元から、薄く紫がかった白い湯気の様なものが上がり始めたのです。
よく温泉地などで地面から湯気が立ち上っていますが、丁度あんな感じです。
私は、最初は湯気かと思いました。
ですが、その湯気は消えたり空へ昇ることはなく
丁度私達より首一つ分位高い位置まで昇ると、徐々に人の形になったのです。
紫と桃色を混ぜた様な肌の色で、頭には毛髪はなく、がりがりに痩せて、
薄い緑色に紫を混ぜた様な色の病院の入院服を着た老人の姿になりました。
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老人には眼窩はあるのですが目はなく、真っ暗な空洞が二つあるだけでした。
そして、何事かを私達に訴えかけるかの様に口をパクパクと動かしているのですが、
口から漏れるのは「おおお・・・」の様な不気味なうめき声だけで、
全く声にはなっていませんでした。
完全にパニックになった私は、まだ笑っている友人を引っ張り走りました。
ですが、進む先の地面からどんどんと湯気の様なものが湧き出し、
それが全てその老人の姿になっていくのです。
半狂乱になった私は悲鳴をあげながら走りましたが、ついに囲まれました。
連れていかれる!!!
そう思った瞬間・・・
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