靖子さんの退院から翌年の春、敏幸さんは庭に植えたシバザクラに
人が集まっていることに気がつきました。
当時はまだ珍しかったシバザクラの鮮やかな色に惹かれて
人が家の前で立ち止まるようになっていたのです。
その様子を見てあるアイディアを思いついた敏幸さんは、
庭作りに本格的に取り組むことを決心します。
人を呼ぶシバザクラを、もっと増やそうと考えたのです。
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裏山を切り開き、地面を盛り上げ、土台を整えるだけでも2年かかりました。
夏には雑草を抜き、秋は広大な敷地を肥料で覆います。
こうして、たった一人で少しずつ地道にシバザクラを増やしていきました。
敏幸さんには目標がありました。
妻を外に連れ出せないのであれば、人を家に呼べばいい。
庭をシバザクラで一杯にして靖子さんの話し相手を沢山集めるために、
敏幸さんは毎日庭仕事に励みました。
それから10年が経ち・・・
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