彼女はそれを見て不安そうな顔をし、何かを書き付けて寄こした。
紙には、
「私、耳聞こえないんだよ? 一緒に居たら大変だよ?」
と書いてあった。
凄く寂しそうな顔をしていた。
返事を一生懸命に考えてはみたが、残念ながら気の利いた言葉を言えるような
素敵な男ではないので、思っていることをそのまま書いた。
[add]
「ただ傍に居たい。いつだって力になりたい。そんな理由じゃダメかな?」
ダメ元だった。
それを見て彼女は泣き出し、震える手で
「ありがとう。お願いします」
と書いた。
付き合って行く内に、茄子と稲光が苦手だとか、実は甘えん坊で
頭を撫でられたり抱き締められるのが好きだとか、知らなかった沢山の面を知ることが出来た。
付き合い始めてちょうど二年が経った日・・・