程なく一台のタクシーがやって来て中年女性を運んで行った。
(よし。あと二台だ)
一台目が去って15分も待った頃、後ろで駅の階段のシャッターが
大きな音を立てて閉った。
振り向くと駅員が点検しながら事務所へ入って行く。
(私がタクシー待ちしてる間に電気が消えたりするのだろうか?
駅員さんとか居なくなるのだろうか?)
携帯で自宅に連絡したM子さんがそんな事を考えていると
タクシーのヘッドライトが見えた。
やって来たタクシーにサラリーマンが乗り込む。
駅前から遠ざかるタクシーを見送りながら、M子さんはふと思った。
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(このタクシーが来るのに20分。普段より待ち時間が長いな)
いつもはもう少しタクシーの回転数は早くなかっただろうか。
最初のタクシーが黒で今のタクシーも黒。
いつもは白いタクシーも居なかったかな?
休日なのでまさか一台のタクシーで使い回し?
20分程経つとタクシーがやって来た。
黒のタクシーだった。
やはり一台きりで営業していたのだろう。
M子さんはタクシーに乗り、行先を告げた。
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