意を決して、妊婦さんを抱きかかえて車に乗せて、
すぐ近くの方の産婦人科へ連れて行った。
彼女は妊婦さんに寄り添って励ましている。
病院に駆け込んで受け付けに事情を説明すると、
すぐに数人の看護師さんが飛び出してきてくれて、
裏口からストレッチャーで妊婦さんは運ばれて行った。
看護師さんに自分の名前や住所、妊婦さんについて知っていることを伝えて、
俺たちは帰宅。
結局デートは行かなかった。
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その夜、旦那さんがアパートに訪ねてきて、昼間のお礼を丁寧に伝えてくれた。
残念ながら、赤ちゃんは助からなかったそうだ。
対応が遅れていたら妊婦さん自身も危なかったと、泣きながら話してくれた。
旦那さんが帰って、まだ俺の部屋に残っていた彼女に事情を説明。
「そっか。せっかくデートもキャンセルしたのに、結局助からなかったんだ」
この一言に冷めてしまった。
この日は彼女を帰して、一ヶ月後には別れた。
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