すると、この言葉に黙っていなかった人物が声を荒げました。
「今、ママのこと言ったでしょ!?謝ってよ!」
それはその妊婦さんのすぐ隣前に立っていた小学生高学年くらいの女の子でした。
あたりは騒然とします。
一言もしゃべらず、ジっと乗車していたので私もまったく気づきませんでしたが、
どうやらこの女の子はその妊婦さんの娘のようでした。
「いいのよ、やめなさい」
そう制止する母の手を振り払い、
この大学生に強く問い詰める女の子の威勢はすさまじいものでした。
「言いたいことがあるなら堂々と言えば?!なんでそんなワザとらしく言うの。女みたいね!
このシール見えないの?妊婦さんは座ってもいいんだよ!これ読めないの?」
そう言って指さしたのは、優先座席の窓に張り付けてあるシール。
そこには、確かに妊婦さんを含め優先座席を必要としている人や、
優先座席に席を譲るべき人が示されていたのです。
女の子のごもっともな言葉に大学生は・・・